年功序列とは、日本特有の雇用制度で個人の能力や成果を評価の対象として賃金を決めるのではなく、勤続年数や年齢に応じて役職や賃金を決定していく人事制度です。
年功序列制度については、いい加減なくなったほうがいいと私は思っています。
勤続年数が長いからと言って優秀な上司となりえるかは関係ありませんし、年齢が高いからと言って無条件で尊敬の対象となることに疑問しか感じません。
私が中学生になったとき1個上の人達を”先輩”と呼ぶようになり、なぜか尊敬の対象とするといった風潮が広がっていました。
中学生の頃はたかだか1、2年早く産まれただけの人をなぜ、崇めなければいけないのか甚だ疑問でしたが、年功序列制度の洗脳だったんだなと、今ならわかります。
無能が上司になる可能性がある
もちろん本当に優秀な上司もいますし、そういった上司の下で働けると自分自身の成長に繋がります。
また、優秀な上司というのは部下の昇進にも尽力をしてくれたりするものです。
問題は勤続年数が長いだけで、無能な人間が上司となることがあることです。
こういった無能な上司は、何もせずに昇進したため業務の効率化などを考えていません。
そして、責任を取るような事態になることを防ぐために事なかれ主義となります。
事なかれ主義であるため、新しい技術を取り入れません。ハッキリ言って化石です。
Excelで計算したら「そういうものは信用できないから、電卓でやれ」と言われるところもあるようです。
本当に開いた口が塞がりません。
業務の効率化を考えていない上に、残業こそ正義と思っているような上司にあったたらとても残念な結果になります。
働かない40代、50代ばかりになる
極論、働かなくても勤続年数などで賃金が上昇するため、働かない40代、50代が増えます。
変に働いて責められたり、評価がマイナスとなるくらいなら誰でも働かない道を選びます。
若手が新しいことをやろうとすると働かない上に文句だけをつけるような老害が誕生していきます。
「パソコンのスペックを上げて業務効率化を図りましょう!」と言った提案を「私達の時代はスペックが低い中で頑張った。同じ気持ちを味わえ」なんていうところもあるようです。
なんかもう、むしろそこまで行くと面白いですね。
若いというだけで安く使われる
年功序列制度は終身雇用とセットという考え方があります。
そして、入社したてのときは賃金が低くても、勤続年数が増えれば賃金が増えると言った状態になって初めて、若いときは賃金が低いに合理性が出てきます。
しかし、会社も10年のうちに9割以上が倒産する時代です。
終身雇用なんてあってないようなものです。
一時期は将来安泰の超優良就職先であった銀行であろうと、人件費削減のために大幅リストラをしています。
終身雇用が崩壊している現代日本においては、勤続年数や年齢によって賃金、役職が増減するというのは若手を低賃金で扱うだけの害悪な人事制度であることに他ありません。
優秀な人材は離れていく
働きアリの法則というものがあります。「2割はよく働く、6割は普通に働く、2割は怠ける」と言ったものです。
会社というものの利益のほとんどは、この「2割」の優秀な社員が上げています。
優秀な人材というのは、当然のことですがそれなりの評価や賃金を要求します。
現実はいくら優秀でも対して賃金は増えません。
この「2割」の優秀な社員も勤続年数や年齢によって評価されるようだったら、その会社に居続けようと思うでしょうか?思わないですよね。
勤続年数や年齢で賃金や役職が決定されるため、若いというだけで昇進ができなくなり、賃金も上らないため、優秀な人材は離れていきます。
そして残るのは、とりあえず「会社にぶら下がっていればいい」といった考えしか持たない無能な人材です。
モチベーションの低下
「この会社でやりたいことがある!」と、やる気に満ち溢れて入社する社員がいるかはわかりませんが、そういった社員もやる気をなくしていきます。
なぜなら、決定権はあくまでも年齢、もしくは勤続年数が多い人が持つからです。
若手が意見を出しても「前例がない」や「経験が浅いからそんなことが言える」などの意味不明な理屈で潰されます。
意見を出しても通らないので若手もやる気をなくし、モチベーションの低い組織が出来上がっていきます。
まとめ
会社という組織から優秀な若手が離れていく原因が年功序列制度です。
優秀な人材が稼いだお金を優秀な人間に還元せず、勤続年数が長いだけの社員に分配するという、優秀な人材が辞めていって当然な状態となっています。
日本の会社も優秀な人材を逃さないために、一刻も早く「年功序列制度」を廃止するべきと考えます。
以上。ありがとうございました!