マナー。
いわゆる礼儀です。相手に対する敬意を表すためのものですね。
目上の人に対するマナーだとか、上司に対するマナーだとかは検索すれば大量に出てきますけど、年下へのマナーってものは出てきませんよね。
年下を相手にする場合はマナーではなく大抵の場合「心遣い」という言葉になります。
私はこの「マナー」と「心遣い」って似ているようでまったく違うものだと思っているんです。
心遣いって配慮とか、壊れないように優しくするものですよね?それに対してマナー、つまり礼儀は相手への敬意を示している。
まったくの別物です。
よく「人を大事にしましょう」のような言葉は見かけますが、年上年下、先輩後輩、上司部下のようなフィルターを通すと何故か「人を大事にしましょう」が微妙に別物になってしまっている気がします。
年上への敬意は当たり前?じゃあ、年下には?
私自身、学生の頃は年下が年上に無条件の敬意を払って当たり前だとおもっていました。
今にして思えば、学生の世界って本当に狭いですからね。
けれども社会人になるに従って一気に視界が開けたのです。
視界が開けた結果、尊敬できる大人もいれば、尊敬するに値しない大人もいるし、年下でも自分よりも遥かに凄い人がいると気づきました。
それに気づいたとき、例え年下であっても最大限の敬意を表すべきという考えに至ったのです。
別に難しいことではなく、年上年下というフィルターを外して、1人の対等な人間として敬意を表すようにしただけです。
呼び方も敬称(さん)づけです。
年上の人から学ぶことあるように年下の人から学べることもたくさんあります。
例えば私は、何かを買うときにアマゾンをよく使います。
アマゾンを使うようになったきっかけは、私が「ほしいものがどこにも売っていない」と言ったときの年下の一言なんですよね。
「アマゾンで探してみてみればいいじゃないですか」って、言われてみてアマゾンで探したら欲しいものがあったんです。しかも、翌日配送。
アマゾン自体はもちろん知っていましたが、便利なものという認識がなかったんです。
それを年下の人に教えてもらったんですよね。
そういえば私が小学生のとき、生徒を「さん」付けで呼ぶ教師がいたのですが、今でも素晴らしい教師だったと記憶しています。
尊敬できる大人の特徴
本当にいろいろな大人と出会いました。
そんな中で私が尊敬できると思った大人、そして周りから尊敬を集めている大人がいます。
そんな大人に共通する特徴が、年下に対しても礼儀を払っているということです。
常に敬語とかそういう話ではありません。
年下という見方ももちろんあるのですが、しっかりと1人の対等な人間として見て敬意を表している印象を受けました。
しかもそういう人ほど、やわらかくて、優しいんですよね。
そういった大人からの説教は凄く痛いけど、本当に人生のためになるんですよね。
年下を見下し続けた人の末路
年金の受給開始年齢がじわじわと上っていますよね。
もともとは60歳から受給できたものが、75歳からに引き上げなんて話もあります(申請によっては60歳からも受取れます。その場合、受給額が減ります。)。
老後の蓄えをしっかりと作っている人なら話は別ですが、人によっては定年退職後も働き続けなければ生きていけないという可能性もあります。
そういった場合、定年退職した会社に「何卒置いていただけませんか?」とお伺いを立てるわけです。
そうなってくると、年上年下の立場が完全に逆転してしまうんですよね。
顎で使っていた年下から、顎で使われるようになります。
しかも、それまで年下を大切にしてこなかったからか、年下から腫れ物を触るような扱いを受けるようになります。
逆に、年下を大切にしてきた人は心よく歓迎されていますね。
そんな光景を何回か見たことがあります。
偉そうにするのは気持ちいいかもしれませんが、いつか強烈なしっぺ返しがくる可能性がある覚悟だけはしておいたほうがいいということです。
マナーは人に押し付けるものではない
よく「最近の若者はマナーがなっていない」とか「目上に対する敬意がない」だとか聞きますが、それはちょっと違うと思うのです。
なぜなら礼儀を払う価値を見出せていないだけだと思うからです。
私だって目上の人であっても偉そうにしているだけ人だったら、敬意を表す価値はないと思ってしまいます。
目上の立場の人間が目下の人間に敬意を表す。
そうすることで、その人も自分がズレているということに気づく。
その気づきを与えるのも目上の人ってやつの役割だと思うんですよね。
マナーってものは「俺たちはこうしていたから、年下もこうするべき!」と一方的に押し付けるものではなく、年上も年下も関係なしに1人の対等な人間としての相手への思いやりだと思います。
最後に
尊敬できる大人って、やわらかくて、優しくて、そして強い。
そんな大人になりたいものです。
以上。ありがとうございました!