ファクトフルネスという世界の正しい見方で心が軽くなる

  • 2020年6月20日
  • 2020年6月20日
  • 雑記

 

 

FACTFULNESS(ファクトフルネス)」という書籍があります。

この「FACTFULNESS」というのは造語で、FACTは「事実」。FULNESSという言葉には満たされることのような意味があります。この本は「データや統計に基づいて、世界を正しく見ていきましょう」というようなものになっています。

 

この本は2018年に海外で発売され、その後日本語に翻訳されたものが2019年に発売されました。

発売後すぐ、この本は本屋のベストセラー棚に並んだので、目にしたことがある人も多いはずです。

私はこの本に1年越しの2020年に出会い、即買いしたのですが、一言で言わせてもらうと、本当に感動しました。感動したと同時に、私が考えていた世界というのはだいぶ古いものであり、世界は変化しているということがデータで見せられたことでスッと腹に落ちてきたのです。

 

この本の著者は「ハンス・ロスリング」氏。

データや統計というと、彼は統計学者とかデータを扱う仕事をしている人だったかと思われますが、それは違って、彼は医師、そして教育者でした。そんな彼が世界の人は世界を知らなさすぎるということで始めたのが、TEDトークであり、そしてこの本です。

また、この本はビル・ゲイツ氏や、オバマ元大統領が絶賛した本になります。

 

 

 

 

 

まずこの本は、日本人であれば過去に学んだような内容の13問のクイズで始まります。そして、多くの人は答えを全く知らないはずのチンパンジー以下でしか世界を知らないとも。

これはどんなに頭のいい人でも世界を誤って見ているということなのですが、確かに過去の教育や普段目にしている情報によって間違った事実を信じてしまっている可能性は大いにあります。

思い返せば、私が国際的な社会について勉強したのは、もう20年ほど前の学生の時の話です。「西郷隆盛」が本当は「西郷隆永」だったなど、最新の研究によって歴史も変わってきていたりします。そんな中、現代社会が一切の変化をしていないということはありえませんでした。

 

電車に乗っているとよく見かける広告があります。「世界の子供は~」みたいな広告です。世界にはまだまだ酷いこと、暗いことが多いのだと思っていました。しかし、この本を読むとそれは一部的な事実ではあるけれども、全体でみると正しくないということが分かってきたりします。

 

私はずっと世界の格差は酷いままだと考えていました。先進国と発展途上国の差はもう本当に果てしなく、そこだけは日本に生まれたことを感謝していました。

しかし、この先進国と発展途上国という言い方が今の時代では正しくないのだとしたら?本書では、先進国と発展途上国という言い方はもう古く、所得レベルに応じて、レベル1~4と表現するほうが正しくなってきているとデータに基づき説明しています。

Dollar Street」というサイトがあります。ここでは各レベルごとの生活を写真で見ることができます。いろいろなところに行くのは大変ですが、こういったサイトで見ることができるのはいいですね。

 

間違いなく世界は変化しており、そしてよくなっているのです。

極度の貧困の国は間違いなく減っており、赤ちゃんの死亡率もここ数十年で劇的に減少している。核兵器も世界的に減り、災害による死亡者も減っている。もともとは半分くらいの確率で墜落してしまっていた飛行機も、墜落したなんてニュースはまるで聞かなくなり、今では世界一安全な乗り物と言われるほどになっています。

 

確かに、「世界には解決するべき問題がまだある」けれども、「世界はどんどん良くなっている」のです。そして、その状態は両立するとも。

 

そして、本書で人間は世界を「ドラマチックに見ている」と言っています。これは「自分から見た世界の反映」で、事実には基づいていないという意味です。

そして、そのドラマチックに見ている原因とも言われる10の本能と、それを抑える方法。

暗いニュースばかり流れるメディア、フェイクニュースがなぜ多くなってしまうのか。

 

この本を読むと、心が軽くなります。また、いかに自分が世界を「ドラマチックに見ていたのか」ということを痛感させられます。正しく世界を認識していたようでその実、まったく正しくなかったと知ったときは多少ショックは受けました。

 

 

この本は、今を生きる人類が間違いなく読んでおいたほうがいい一冊であると断言できます。

世界について間違った認識を続けていると、間違った支援をしてしまう可能性もあります。しかし、世界の事実を知る人が一人でも増えれば、それだけ世界はよくなるのではないでしょうか。

 

時が流れ、世界がまた少し良くなったころに、新しいデータに基づいたファクトフルネスが発売されると嬉しいですね。

 

ハンス・ロスリング(著)

 

 

以上。ありがとうございました!